『経験・言葉・虚構』(10)

そうゆう島は珊瑚礁で白くて、
ガジュマルの木が生えていて、
数千年前と同じ波の音、
同じ色で、
スモッグもなければ、
煙突もなければ、
人家もない。

ところがそうゆう珊瑚礁にたった一軒、
ブリキで小屋が建ってるんですね、
そして「サロンパリ」などとかいてある。
まぁここが我が国の我が国たる所以なんですけども。

この南海の「サロンパリ」へ入っていくと
どうゆうことになるかというと、
シャコ貝というシェルの石油のマークになっている貝がありますけれども、
ああゆう貝を肉をとった後、
洗って、
さらして、
これを杯のかわりにする。
黒砂糖からとった焼酎をダブダブダブダブダブ‥と注ぐんですね。
これは底がついてないから、
グゥ〜と安宅の関の弁慶みたいに
全部飲み干してしまわないことには置くことができない。
置くとコロンと転がってしまう。

それでそうゆう焼酎をそのまま出されるまま飲んで、
ばたんきゅうといって客が倒れると、
「これはいい客だ」
といってほめてもらえる。
大体奄美大島でそうゆう習慣ですけども、
そうゆう島になると特にそれが濃厚激烈なんです。

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