『経験・言葉・虚構』(6)

それから文字というものを夜更けになってじっと眺めていますと、
一切合切が解体していってしまって、
「木」というものを表現するのになぜこの字をつかわなければならないのか、
それがわからなくなってくるんですね。
バラバラになってしまう。

おそらくこの中にもそうゆう経験をしてらっしゃる方が多いんじゃないか
と思うんですけれども、
そのために世の中の一番究極的な約束事を疑ってかかるわけですから、
それから先へは一歩も進めなくなってしまう。
そうゆうことに苦しめられたことがあります。
かなり長い間苦しめられたんです。

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