それで私は小説を書くことと、
最近魚を釣ることを職業にしてしまったんで、
小説を書くことと魚を釣ることしか出来ない。
で文学の話をしてもいいんですけれども、
これは毎夜毎夜、
机に向かって夜中に一人で酒と妄想とタバコにふけって、
原稿用紙を重ねてそれを明くる日出版社に渡すだけで精一杯で、
もう思い出すだけでもヘトヘトの思いになるので、
とてもこれはしゃべる気になれない。
それから魚釣の方はどうかというと、
これはちょっと経験があるのでしゃべりたいんですけれども、
ロシアに古い諺があって、
「釣りの話をする時は両手を縛っておけ」と、
こうゆう話になるんで、
だからのろけのような話ばっかりになって法螺吹きになる。
小説は、
「嘘を通じて人生の真実を語ることである」と言われてるから、
私は天職として嘘つきである。
第二の職業として法螺吹きである。
嘘のうえに法螺が重なるともうどうしようもないですから、
これは避けなければいけない。
とゆうことになるとだんだん話することがなくなってしまうんですけれども。
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