『経験・言葉・虚構』(33)

三ヶ月間いてて、
ものすごく神経が鋭くなってきて、
ある朝四時頃、
部屋の中に誰かが立ってるとゆうようなショックに襲われて、
心臓がドキドキドキドキしてくるし、
こんなところへ泥棒が来るわけないし、
泥棒がきたって盗っていくものないし、
と私のロゴスとエトスはそう説明するんですけども、
エロスは抜きで、
パトスの方がですね、
誰かがいる、俺を殺そうとしている。
と突飛もないことを考える。
それで全身が凍り付いたみたいになってしまう。
それでよーく目をおし開けるようにして見ていくと、
ズボンがだらしないのが壁にぶら下がっていて、
そこに蝶々が一匹とまっていまして、
羽を開いたり閉じたりしてるんですね。
ただそれだけなんです。
そこまで俺もキレイになったかという感じがした。
でガバッとは跳ね起きないで、
そのまま寝てしまいましたけれども。

それで夜黄昏れにならないと私は机の向かう気力がおこってこないんですが、
黄昏に向かうと字が書けない。
いくら考えても字が書けないし、
書きたいことはたくさんあって、
動いてるということも感じられるんですけども、
一字も出てこない。
それで鳶が魚を取り損ねて、
湖で取り損ねているのをじぃと眺めて、
やっぱりお前にも魚は捕りにくいか、
とゆう風な友情を感じたりするんですが。

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