『地球を歩く』(5)

例えばですね、
パリという街がありますけれども、
香水とファッションと高級文化ということになってるんですけども、
しかし以外に報道されてない面はたくさんありましてね、
私はパリが好きで随分なけなしのお金をはたいたんですけれども、
ヨーロッパの都でですね、
その人口に比べて石鹸の売上が一番悪いのはパリなんです。
というのはつまり不潔だということなんですけども。
これが以外にいつまでたっても報道されないんで、
これはどうゆうことかと思うんです。
私がパリをウロウロしだしたのは、
もう今から20年も昔なんですけども、
依然としてかわってないんです。
それから全ヨーロッパの首府で、
街角で立ち小便をしておる、
あるいは橋の下でウンチをしておる、
堂々と、
憚ることなく、
やる奴をみんなが認めている、
こうゆう癖があるのはパリだけなんです。

ニューヨークもですね、
したたかにおしっこの匂いが立ちこめておりまして、
これがまた行ってみるまでわからなかったんですけれども、
地下鉄を降りるともう、
酸いような甘ったるいようなおしっこの、
出たての匂いも、
三日経ったような匂いも込めてですね、
ムラムラムラッと鼻先へきて、
これはニューヨークのつもりやのに、
パリへ来たんかと思ったくらいですけれども。
どうゆうものか、
食事のせいか何か、
一種独特の甘ったるいような匂いがしますね。
何のせいでしょう、
コカコーラの飲み過ぎやろかと思うんですけども。
あ、これはパリの匂いやと、
同じ匂いです。
東南アジアへ行くとちょっとまたこの系統がかわってきますけどね、
匂いが。
食べ物のせいでしょうね。

0 件のコメント: