『地球を歩く』(6)

これがまたニューヨークが、
ティファニーだブロードウェイだというようなことばっかり
みんな言ってますけども、
したたかにウンチとおしっこの匂いがする。
聞いてみるとここ15.6年急速にこうなったんだというんですけれども、
フランスの場合もうちょっと伝統があります。
長い、昔からなんです。
「セーヌの橋の下で」と言いますけれども、
事実セーヌの橋の下でみんな、
「Je t'aime」なんてやってますけれども、
その横はうずまきパンの氾濫なんであって、
いやホント、
これはテレビがいつか報道するんじゃないかと思って私はみてまして、
私はテレビはほとんど見ないんでよくわかりませんけれども、
セーヌの橋の下はうずまきパンだらけやでとゆう、
あるいは柔らかくなったのでカレーライスやで、
とゆう風な風景をドキュメンタリー番組で紹介したことがあるか、
と若者に聞きますが、
知りません、
存じません、
見たことありませんと言うから、
依然としてフォブール・サントノレがどうのこうの、
とゆうようなことばっかりやってるんじゃないかという気がするんです。

これはフランス人の、
強いて言えば長い文化的伝統なんであってね、
「esprit gaulois」という言葉があるんで、
ゴーロワ精神と言うんですが、
これがフランス精神の元祖になってると。
これは自然なるものを愛する、
豪放快活磊落にやれ、
というところがありまして、
飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ大歓迎。
ついでに出す方のあれも大歓迎。
ベルサイユ宮殿時代という時代がありまして、
それからフランス大革命という流血の大時代がそのあとに続くんですけれども、
ベルサイユ宮殿というと近頃なんだか、
「ベルサイユのバラ」とか何とかいうのが氾濫しているとか
ちょっと前まで言われてましたけども、
エラいヒットしてるというので、
私もたまたま出版者に頼んで持ってきてもらってみたら、
要するに宝塚ということなんですけれども。
あんなもんじゃないんであって、
まぁそうゆう面もあったのかもしれませんけれども。
垂れ流しなんですなあれは。
それで水洗便所が発明されてなかったから…

私の話はこうゆうことばっかりじゃありませんけれども、
こうゆう話からはじめたら落ちようがないから、
あとは上がるばっかりだと思っていただきたい。

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