『地球を歩く』(23)

でアマゾンは偉大なる緑の原野ということになってる。
一方あの膨大な量の木材が日夜を問わず切り倒されてるんです。
ブラジル政府は規則をつくりまして、
ジャングルを切り開いて牧場なり畑なりにする時は、
1/4だったか1/5だったかはジャングルのままで残しておけと、
こうゆうお達しがあると言うんですけれども、
見た所そんなの誰も守ってる気配がない。
そうするとですね、
アマゾンに関して申し上げると、
あそこのジャングルを切り倒すと、
翌日何が出現するかというとサハラ砂漠が出てくるんです。
というのはあそこは海底から隆起して出来た盆地で、
元々土壌というものがない、
砂があるだけなんです。
だからアマゾン川は橋もない、
堤防もない世界で唯一の川ですけども、
私がもう一つ付け足すとですね、
これはどのアマゾンの本にも書いてないんですが、
石ころがないんです。
アマゾン川には。
かなり上流まで行っても石ころがない。
それは石ころのある海底が隆起しなかったからなんです。
町の近くには石ころめいたものはありますけれども、
それは町を切り開いた時につくったセメントをこねたり、
岸壁を造ったりする時のセメントやなんかに使った石ころなんであって、
本来ある石じゃないんです。
アマゾン川は偉大ですけど石ころは一個もない。
だからそれゆえに偉大なのかもしれませんが。

その砂泥がですね、
ごぞんじのように雨期になると何メートルと水があがってたまる。
それから乾期になるとそれが引いて川へ戻る。
あそこの木はおかしなジャングルで、
それはあの土地が何億年かかかってつくりあげたものなんですけども、
お互いがもたれ合って木が生えてるんですね。
どっかで一本の大きな木を切り倒すと、
バタバタバタバタッと倒れる。
それで木の根っこが浅いんです。
日本の木の根っこの方が土のなかに深く入っている。
いくら土のなかに深く入ったところで栄養分がないんだから
深く張ってもしょうがないというので、
浅く広く張っている。
それがお互いにもつれ合って、
もたれ合ってたっているのがアマゾンのジャングル。
それで一方で花が咲いてる木があるかと思うと、
一方で枯れ葉になって落ちてる木もある。
けったいなジャングルなんです。
よーく見るとそうゆうのが見えてくるんです。

0 件のコメント: