『地球を歩く』(28)

魚だけ釣ってればいいのに、
こうゆうのがちらちらちらちら目に入ってくるもんですから、
つい気になってこんな所へきて喋ってるんですけど、
「喋って何になるか」と聞かれたら、
「さぁ…」と言うしかない。
問題を提出したことに意義がある、
とクーベルタン男爵は言ってくれてたからいいんですけれども、
クーベルタンはオリンピックだけのことしか言ってないんで、
どうしたもんですかねこれは。

大体が文明というのがどだいエラいことなんで、
人類史上こんなに大量消費のめちゃくちゃな時代はないんで、
昔ならですね、
洞窟時代でもいい、
石器時代でもいい、
新石器時代でもいい、
農耕期初期でもいいんですけれども、
畑で麦なり稲なり育てますね、
それで実をとってきて食べる。
いくらか翌年に残しておく。
それで麦藁が残る。
それを刈ってきて焼べる。
あるいはランプにする。
つまり一まいの畑で採れたもので生活の光熱費全部を養ってたわけです。
だけど今はどうかと言うと、
やっぱり畑に種蒔いて、
それを刈り取っているのは人間の手ではなくて、
ブルドーザーやらカルチベーター、
機械になっただけのことで、
大地に育ててもらわないことには植物は生えてこないということでは、
数億年前、
数万年前、
数千年前とまったく同じなんです。
同じなのに、
食生活が大地の略奪ということではまったく同じなのに、
エネルギーの方はアトムだとか、
何とか訳の分からないことになっちゃって、
全然違うようになってしまう。
これが乱開発、
乱伐、
地球が穴ぼこだらけの栄養失調になっていく最大の原因なんです。

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