『地球を歩く』(29)

それからもっと不景気な話をやりますが、
私は戦争を追っかけてましたから、
不景気の専門家みたいなもんですけれども、
ちょっとお裾分けしたいんです。
まだ余裕がおありになると見えるんで、
切迫してない。

アフリカの飢餓が伝えられてますね。
年がら年中あそこは飢餓が伝えられるんですけれども、
ナイジェリアという所で飢餓戦争があって、
私はそれをルポしに行ったんですね。
それでお腹がこんなんで、
三角形のおにぎり頭をしてて、
マッチの軸みたいな、
子供、
女、
おばおじいさん、
あの風景なんです。
それで国連やら世界各国やらが
どんどんどんどん救援物資を運び込む。
ここに問題がありましてね、
かの退屈で賢きNHKの画面に出てくるのは、
その救援物資が配給されてる現場の写真が出てるんだと思うんですが、
子供にいっぱいハエがたかってね。
でスプーンですくって、
お母さんがその横で呆然としてる。
こうゆう風景なんですが。
そこへ行くまでのからくりが描かれてないと思うんです。
それで港なり空港なりどんどん世界中から救援物資が来る。
それで一国民が救われるとは思いませんけれども、
かなりの量になるんですね。
それが現場までたどり着くうちに、
どこやら消えてしまうんです。
風と共に去りぬとゆうやつで。
これを貪管汚理と言うんです。
貪る管理に汚い管理の理。
どっかいっちゃうんです。
これなんです問題は。

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